はじめに
やる気が出ないのでなかなか勉強ができない。
勉強は「やる気」が起きて、はじめてやるようになる。
そのように考える風潮はあると思います。
ただ・・・日々勉強するのに本当にやる気が必要なのでしょうか?
そのあたりの疑問(私自身の疑問でもあります)について述べてみたいと思います。
やる気と実際にやる事との関係
私たちは日々、生活をする中でいろんな事をしています。
大人も子供も関係のない話をします。
食事をするとか、仕事をするとか、新聞を読むとかテレビを見るとか、掃除をする、洗濯をする、携帯でゲームをする、なんとなくツイッターを見る等々。
それらの行動にやる気をいちいち発動させるわけではありませんよね。
ほぼ、自動的に近い形ではないでしょうか。
もちろん、壁にぶち当たったら、毎日自分を奮い立たせないと頑張れないとかいう時期もあるとは思います。
掃除するのが嫌いだから、掃除するときはいつも気合を入れなければいけないという人もいるかも知れません。
ただ、基本的に日々の生活の行動は「やる気」を原動力にしているわけではありません。
勉強にやる気は必要か
そうすると、日々の生活の中の行動と勉強を同じ目線で考えるようにすれば勉強にも常にやる気が必要になることはないのです。
勉強にやる気が必要かどうかという問いには、もちろん必要な時もあるが、常にそれがないとできないものでもないという中途半端な解答になってしまいますが・・・
考えて見れば、毎日毎日「やる気」を出さずとも勉強はしているのです。
そうです。学校に行ってますよね。
やる気の有無は関係ありません。
ただ、行くだけでは勉強してるとは言えないとも言えますが、とりあえず普通に毎日学校には行くのです。
大人の仕事や家事と同じで、ときどき「頑張るぞ」って気合が必要な時もあるとは言え、基本的にはごくごく普通に当たり前のようにやっている行動なのです。
言い換えると「習慣」ですよね。
最近は「ルーティン化」なんていう言葉も良く聞きます。
やるぞ~って気合を入れて毎回やらないといけない事なんて、ストレスになるのではないでしょうか。
今日もすーっといつの間にかやっていつの間にか終わってた。っていうのが理想的なのではないでしょうか。
ルーティン化の威力
私は現在塾の開校の準備をしているのですが、塾のコンセプトを固めてホームページを作成したり、部屋のレイアウトを考えたりする作業とはまた別に、教える人間側として当然のことですが、「勉強」をしなければいけません。
私の場合、教科力というものも商売道具の一つになるわけですから、「勉強」=「仕事」です。
だからやる気云々とは別のレベルで日々やっていく必要があります。
そこで私が取り入れたのが、日々のルーティンに組み込むということです。
すでにルーティン化されているものと組み合わせるということです。
私はほぼ毎日夜に5キロ走ります。雨の日は仕方がないのですが、基本的に毎日です。
ランニングから帰ったらしばらく汗がダラダラ流れるのを楽しみます(笑)
その後風呂に入り、晩ご飯を食べるのですが、その後に勉強をくっつけました。ごく自然に。
ランニング→風呂→ご飯→勉強という流れをつくることでストレスなくすーっと勉強に入ることができます。
毎日ランニングというのがすでに不自然かも知れません。
それをどうやってルーティン化するのかというのも一つのテーマになってしまうくらいのことではあります。
少し話がそれますが、こちらを習慣化できた事も今回の話につながることなので少し触れたいと思います。
ランニングを習慣化するためには結構な年月がかかりました。
でも、これについては、習慣化できたコツが2つあります。
それは、「ハードルを下げる」と「ランニングウェアに着替える」でした。
最初はダイエットに始まり、いつかフルマラソンとか、目的が変わりつつ走っていたわけです。
思い立ったときに8キロ走ったり、10キロだったり、休日には20キロ走ったりしていたわけです。
はじめて20キロ走ったあとから膝が痛くなったり、足首が痛くなったりということが多々あり、走るのが少し嫌になりました。
毎回走る前に気合が必要になる状態です。
だんだんと、あまり走らなくなってその内、ほぼ走ることもなくなってしまいました。
ある日、またふと思い立ち、あんまり走りたくはないけど、とりあえず5キロくらいなら行けるかな?と。
今はスマホがGPSで自分の走った場所をトレースしてくれますし、距離も簡単にわかります。
2.5キロで引き返そう。
これが、すごく楽だったのです。
足も痛くない。
そしてやっぱり汗をかくのは気持ちいい。
5キロ程度でも汗はだくだくになりますから。
フルマラソン云々はとりあえず置いておいて、今はとにかく走り続けることをメインにしよう。
と、方針を決めたわけです。
走れるだけ走っていつかフルマラソン、みたいな感じから、とりあえず続けるみたいな感じに思い切りハードルを下げたのです。
あとは、時間が来たらとりあえずランニングウェアに着替える。
これは「儀式」のようなものです。
家のなかでランニングウェアはあまりにも不自然。
走りに出るしかない(笑)
そのようにしてランニングを習慣にできたのです。
その習慣に一つ別のもの(勉強)をくっつける。
これはとても簡単なことでした。
毎日肩肘張る必要はない
何においても、一番大切なことは「継続」です。
絶対的な唯一の成功法則のようにも感じます。
成功者が皆口を揃えていっているのは、いつも同じです。
続ける事。
諦めない事。
時と場合によっては、集中して、気合を入れまくってやらなければいけないときもあります。
でも、基本的には日々、淡々と継続すること以上の強さはないと思います。
日々続けるためには毎日毎日肩肘張って気合を入れまくる必要はありません(もちろん、それができるならそれでもいいですが)。
調子のいい日も悪い日も、関係なく毎日淡々とする事。
大きな成功を収めている人も、毎日ド派手な事をやっているわけではなくて、日々は単純で基本的な事を繰り返しているわけです。
それが大切なのではないでしょうか。
まとめ
ここで述べたように、すでにある習慣に新しいことを結びつけるというのがやる気の有無にかかわらず一番簡単にやる方法です。
私はこれから、子どものやる気をコントロールしたりしつつ、子どもに勉強を「させる」仕事をするわけです。
気合だ気合だ気合だ~と言うのではなく、日々の生活を振り返ってもらって、その中で工夫をしてうまく、楽に勉強を「いつの間にか」していたという形に持っていく事をライジングでは方針としています。
これは勉強だけではない、人生でずっと役に立つ事だと考えていますので、できれば大人になってからではなく、小中学校のまだまだ未来が無限にある子どもたちにこそ是非身につけていただきたいと思っています。
(2016/09/08)